「やりたいことはあるけれど時間が足りない」「タスクに追われてやりがいを感じられない」など、時間管理で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ライターとして活動する場合、クライアントワークで納期を優先し、自分のメディア作成やスキルアップの時間がどんどん後回しになるという悩みもよく耳にします。
しかし、その悩みは解決できるかもしれません。
実は、時間管理が上手な人は「ワークシフト」をうまく活用しているそうなんです。
そこで「一人でも多くのライターが働き方を改善できるように」をテーマに、2022年4月に弊社オンラインコミュニティ「ものかき大学」にて、野口真代先生による特別講義が開催されました。今回はその様子をお届けします。
日時:2022年4月29日(金) 13:00~14:00
対象:弊社オンラインコミュニティ「ものかき大学」受講生
形式:オンライン講座
「WORK SIFT(ワークシフト)」とは、自分が置かれた環境を分析し、自分らしい働き方を見つけだす過程を意味しています。つまり、やりがいや楽しさを感じながら働くために働き方を変えていくことです。
それでは、「ワークシフト」が必要なのは、なぜでしょうか。
講義では、次の問題が出されました。
―― 問題です。あなたの銀行口座に「86,400円」が毎日振り込まれるとします。でも次の日には0円になってしまう。でも翌日にはまた86,400円が振り込まれる。あなたはどうしますか?
あなたなら、なんと答えますか?
受講生からは、
・その日のうちに使い切る
・全額自分に投資する
・学びに投資する
などの声がつぎつぎとあがりました。
貯蓄するという解答があってもよさそうですが、そこは「ものかき大学」で学んでいる受講生。自分のために活用する意見がほとんどでした。やはり、もらったお金を絶対全部使い切りたいですよね。
そして、野口真代先生は言いました。
―― 実はこの夢のような現象、毎日の生活で起こっていることなのです。
私たちには、毎日86,400秒(60秒×60分×24時間=86400秒)を自由に使う権利が与えられています。それは、翌日にはすべてなくなり、また新たな86,400秒が与えられます。
この話を聞いた瞬間、ハッとしました。まさに「Time is money」
改めて時間について考えると、
「限りある時間を無駄なく毎日使いたい」
「毎日自分らしく生きたい」
と思った方も多いのではないでしょうか。
とはいえ「どうしたら時間を有効に使えるのか分からない」と感じる方もいるかもしれません。ここからは具体的に要点をしぼりながら、野口真代先生直伝の「ワークシフト」について解説します。
まずは、1日の時間の使い方を見える化するのです。
果たして今の自分が、何にどれだけの時間を使っているかを把握している人はどのくらいいるでしょうか。
時間の使い方を改善するためには、自分の現状を客観的に知ることが重要です。自分の時間の使い方を可視化するのが、ワークシフトの第一歩。
私も言われるがまま、講座前日の様子をGoogleカレンダーに記録しました。ちなみに、タイムログは「15分〜30分」単位でつけるのがよいそうです。すると、想像以上に「名もなき空白の時間」が多くて驚きました。きっと動画やSNSをぼーっと見ていたのでしょう。
正直ゾッとしました。
しかし、無駄な時間を数字で見ることで何を改善すべきかという方向性が見えてきたのです。
参加者からも「休憩時間が多かった」「Twitterを見過ぎだった」などの声があがっていました。一度でも自分の24時間を書き出すことは、自分の働き方を変える効果的な意識づけになっているといえます。
次に、生産性が上がる仕組みづくりをします。集中力を低下させる原因を排除するだけでも、かなりの改善がみられるとのこと。
特に生産性を下げるのがスマホ。
講座の中でも「朝一でスマホはポストにぶち込もう」という斬新な一言に、笑いの渦が巻き起こりました。それと同時に「現代人の半数以上がスマホを3時間以上見ている」という、少しも笑えない事実も伝えらえれました。
仕事の時は、誘惑の多いスマホを見なくてすむ環境づくりが必要不可欠です。
・スマホは見えない場所に置く
・スマホの通知機能をオフに設定する
・寝る2時間前はスマホを見ない
このように、生産性が上がる仕組みを整えましょう。
簡単にできて、生産性が上がるのはうれしいですよね。ちなみに、我が家にはポストがなかったので作業中はスマホを布団に寝かしつけています。
しかし、いくら生産性が上がっても、疲れや悩みが溜まってくるとスムーズに仕事ができませんよね。
自分の集中力が切れた時の対応も計画しておくことが大切。
・集中力が切れた→場所を変えて、脳をリセット
・悩みだしたら手が止まる→悩む時間をタイマーで測る。紙に書き出す
このように、スムーズに仕事ができない時に備えて、自分なりの対策をしておくことがワークシフトのポイントとのことでした。
「黒を白にするオセロゲームのように楽しんだらいい」という野口真代先生の言葉に、より前向きな気持ちになった受講生も多かったと思います。
今回の講義では
・ライターの働き方を改善したい
・働きがいを感じて仕事をしてほしい
・自分の時間を確保して楽しく過ごしてほしい
という野口真代先生の想いが込められていました。
「時間の使い方=命の使い方」
講義を受講したことで、一人ひとりのこれからの行動も「自分らしく働ける社会の実現」の大きな力になってもらえたらと思います。
参照:リンダ・グラットン 著『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図』