こんにちは!
出雲企画広報スタッフのはなです。
今回は、ものかき大学(通称「ものがく」)で開催された「ライターのためのカメラ講座」のイベントレポートをご紹介します。
読み手に伝わりやすい記事作成において、写真は視覚に訴えて内容をよりわかりやすいものへと導く重要な役割。
ライターは、文章を書くことはもちろん、テーマに沿った写真を自分で提供できれば、鬼に金棒です。
イベント名:「プロの写真家に学ぶライターのための写真講座」
講師:矢野巌
日時:2022年6月12日(日)10:00~11:00
対象:オンラインコミュニティ「ものかき大学」の受講生
形式:Zoom
矢野巌(https://twitter.com/iwao_photolife)
写真をはじめて15年。
『御苗場』レビュアー賞受賞 / NYフォト日本選抜メンバー / 塩竈フォトフェス平間至氏推薦によりゲスト参加など、実績多数。
『母親にとって優しい会社は、誰にとっても優しい会社』を信念に血の通った職場づくりを推進中。厚生労働省をはじめ、各種団体より働き方とテレワークについて取材・講演を多数開催。人の営みと写真が好き。
多数の実績をもたれている矢野先生をお招きしての講座は質疑応答含め、あっという間の60分でした。
ここからは講座内容を順にご紹介します。
はじめに、ライターが解決したい写真の悩みがいくつか挙げられました。
・取材は頑張ったのに写真がイマイチ……
・せっかくの記事にもっと目を引く写真があればアクセスが伸びるのに……
・記事に入れる画像が無料素材のものばかりで他との差別化が図れない……
そして最大の悩みは「そもそも写真の撮り方・写真について学んだことがない」というもの。
何をもって「良い写真・悪い写真」なのか。まずはその基準について学ぶところからです。
先生から、順次、男女の人物写真が提示されます。
それぞれの写真で良い点・悪い点について考える時間が設けられました。
これまで「何となく…」で捉えていた写真ですが「良い写真」だと感じてもらうために必要な要素があるのです。
そもそも「人物は情報の塊」。
「人間は人間を追いかけてしまうので、写真の中に主役以外の人物が入ってしまうと、一番主張したいものから目が離れてしまう」とのこと。
そして先生から、人物撮影の鬼ポイントが伝授されました。
・あくまでも主役は人
・人物と関係ない要素は敵
・人物と関係ある要素は味方
・困ったらボケろ!
「誰が主役かを考えて、関係ない要素はそぎ落とす」
更に上級者向けのテクニックも紹介されました。
「記事の内容にリンクする物を写真の中に写りこませる」
例えば、被写体が日頃、自転車であちこちアクティブに移動するという内容だったら、写真の中に自転車を忍び込ませる。すると、一気に記事に厚みが出るそうです。
・女性が被写体の場合は、髪の毛が乱れていないか配慮する
・照明の当たり方に気をつける
このような具体的なポイントも示されました。
女性としては、出来上がった写真が髪の毛が乱れた状態で表情もイマイチだと残念な気持ちに……。このように細やかな気遣いはとても嬉しいですよね。
また、照明の当たり方次第で写真の印象は大きく変わります。
被写体は照明の真下ではなく、少しサイドにずらすなど、光を味方につけてコントロールできると写真の出来映えがかなり違うことも教えていただきました。
何でもそうですが、写真も目的を明確にすることが大事。
「取材で伝えたいことは何なのか?そのためにどんな写真が必要なのか?」
取材前にはしっかり検討し、どんな写真が必要なのか考えます。屋内か屋外かの撮影場所の選択もとても重要とのこと。
それを踏まえた上で、取材中は「照明と背後」を意識しながら写真を撮ります。
背後を意識することから「ゴルゴ13」を例に出されていましたが、わかりやすい例えに一同笑みがこぼれました。
そして最も大切なのは「撮って撮って撮りまくる」こと。
なんと先生は今回の講座のために、400枚もの写真を撮影されたとのこと。実際に講座で使用した写真は14枚。これには驚きを隠せませんでした。
撮ったはずの写真に使えるものがなかった……これが最もあってはならないこと。多く撮っても撮りすぎ、ということはなさそうです。
実際に写真を撮るためには、カメラが必要です。そこで悩ましいのが「どのカメラを使えばいいのか」ということ。
先生のおすすめは一眼レフ。2~3万円の中古のものでもいいそうです。
しかし、実際に使いこなすのは少し難しいため、次におすすめなのが手軽で使いやすい「ミラーレス一眼」。
また、今はスマホのカメラもかなり性能がいいので、一定機種以上ならば問題なく使えるそうです。「取材対象でカメラを変える」という手法も有効なようです。
講座全体を通して「やっている」「知っている」ということもあったかもしれませんが、実際に全て実践できているかといえば、どうでしょうか。この問いにドキリとした人も多いはず。頭で理解していても実際に行動してみるのはなかなか難しいものです。
「今回の講座で伝えたポイントを自分の中に落とし込んで、どんどん練習して写真を楽しんでほしい」
矢野先生はこのように締めくくられて、講座は終了しました。
実際に良い写真・悪い写真の例を見ながら、受講生がしっかり考えて体感できる参加型で行われた今回の講座。
人物を撮影する際の基本から、おすすめのカメラの種類まで、60分という短い時間の中で盛りだくさんの講座でした。
受講生は今回の講座をきっかけに、今後は記事作成とともに写真撮影も自信をもって臨めるに違いありません。
次回のイベントレポートもお楽しみに!