伝わるプレゼンのメカニズム|プレゼンクリエーター 前田鎌利先生

こんにちは!

出雲企画事務局スタッフ、はなです。

 

突然ですが、あなたは「プレゼンテーション」にどんなイメージを持っていますか?

  • 難しい、苦手
  • 人前で上手に喋れない
  • 相手に伝えたいことが伝わらない……

 

このように苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。

 

そんなあなたの苦手意識を払拭すべく、プレゼンテーションクリエイターであり書家でもある前田鎌利先生をお招きして「伝わるプレゼンのメカニズム」と題した講義を行っていただきました。

│概要

イベント名:「伝わるプレゼンのメカニズム」

講師:前田鎌利

日時:2023年1月17日(火)21:00~22:00

対象:オンラインコミュニティ「ものかき大学」の受講生

形式:Zoom

 

 

│講師の紹介

前田鎌利(https://twitter.com/maedakamari)

プレゼンテーションクリエイター/書家

1973年福井県生まれ。東京学芸大学教育学部書道科卒業後、独立書家として歩みながら、通信業界に従事。ソフトバンクでは孫正義氏のプレゼン資料の企画・作成も手掛け、社内におけるプレゼンテーションをはじめとした研修プログラムを構築、実践。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。ソフトバンク、ヤフー、ベネッセコーポレーション、SONY、JR、松竹、JTなど年間200社を超える企業にて講演・研修を行うほか、全国でプレゼンテーション・スクールを展開。株式会社 固の代表、一般社団法人 プレゼンテーション協会 代表理事を務める。

 

また、国内外で書のパフォーマンスを行いながら、一般社団法人 継未として書道教室を展開。リアルとオンラインクラスで700名の生徒が在籍。Softbank「志高く」JAXA「こうのとり」Jリーグ「絶対突破」、TOYOTA「挑戦」重要文化財 旧小坂邸襖書「花鳥風月」など多数の作品を手がける一方、国宝 彦根城などでのライブパフォーマンスや個展の開催をはじめNY、アジア、ヨーロッパなど国内外にて幅広く活動している。

 

著書はシリーズ累計45万部を超える。書籍は中国語、韓国語、台湾語、タイ語などにも翻訳され海外での講演も実施。

 

書家 前田鎌利   https://maeda-kamari.com

株式会社 固    https://katamari.co.jp/

一般社団法人 継未 https://tugumi.or.jp

 

著書はシリーズ累計45万部を超え、さらに「書家」として世界でご活躍の前田鎌利先生をお迎えしての講座。

 

先生の穏やかな語り口調とは対照的な情熱溢れる講座、そして人としての魅力に受講生一同心を奪われっぱなしの60分でした。

 

ここからは、講座内容を要約してご紹介します。

 

 │「一座建立」講座に臨む心構え

「こんな時間に集まってるみなさんに、まずは拍手!」と前田先生。

 

「その上で、学ぼうとしている、その姿勢だけですごいことだよ!」

 

思いがけずこんなお褒めの言葉からのスタート。

 

大人になってから、褒められることってなかなかないですよね…受講生一同、開始早々、心をわしづかみにされます。

 

そして早速、プレゼンテーションに関する講義が始まるかと思いきや、まずは「本日の心構え」から。

 

「一座建立」

茶道で使われるこの言葉。

 

オンラインでの学びは対面でのそれとは異なり、自分ごととして捉えるのが少し難しくもありますよね。

 

先生はそんな私たちを見透かしていらっしゃったのでしょうか、次のように話されて講義がスタートしました。

 

「この講義を通して、どうなりたいのか?講義が終わった時どうなっていたいのか?それを明確にして受講に臨んでください」

 

少し、ピリッと引き締まります。

 

さぁ、いよいよ講義に入ります。

 

|「伝える」のはなぜ難しいのか

 

そもそも「伝える」ことをいつから体系立てて学ぶようになったのか。

 

最初に伝えることを理論的・体系的にまとめたのは、アリストテレスの『弁論術』。

そこから2300年が経過した今、果たして人類は「伝える」ことをどう捉えているのか。

 

とある調査によると、91%の人が伝えるのが難しいと感じているとのこと。

 

2300年経っても苦手意識が拭えないということは、遺伝子レベルで話すことが苦手なのです。

 

遺伝子レベルでそうならば、みんな苦手意識があって当たり前なのかもしれない……受講生に安堵の表情がちらほら(笑

 

|実は日常が「プレゼンテーション」

 

相手に伝える技術は、特別なものかと言えば実はそうではないとのこと。

前田先生は、病院を例に出して説明してくださいました。

 

「実は、この診察室でのやりとりが立派なプレゼンテーションなのです。診察室に入ってから終えるまで、時間にしておよそ4分。その間に、私たちはお医者さんから薬を勝ち取っていますよね」

 

確かにあの短い診察時間で私たちは自分の症状を伝え、必要な薬を処方してもらっていたのです。

 

日常生活の中で、無意識のうちにプレゼンテーションを行っているということに驚きました。

 

|VUCAの時代:重要なのは「セルフブランディング」

2020年からビジネスシーンが大きく変わりました。

 

リモートワークのインフラが整ったことで、オンラインでのプレゼンテーションが行われるように。

 

「不確実性の増大した社会においては、これまで通用していた成功モデル・知識・経験が通用しなくなりました。

 

ここから重要なのは個人の成長『セルフブランディング』です」

 

「スキルセットが同じ人が山ほどいる中で、自分を売り込んでいくために必要なことは「相手に自分のことを的確に伝える技術」

 

これがあるかないかで、大きな差が生まれるとのこと。

 

とても刺さります……

 

|「伝わるメカニズム」とは

プレゼンテーションで伝えることは2つ。

 

それは「勇気」と「希望」であると、前田先生。

 

「別の言葉に置き換えると、勇気は”挑戦・やる気”、希望は”ワクワク感”、これを相手に伝えなければならないのです」

 

では、この2つはどうやったら伝わるのか。

 

いよいよ本日の核の部分に突入です。

「まずは、伝えたいことを明確にする。伝えたい要素を絞ることが重要です。

 

そしてそれを伝える。伝えるだけでは理解レベルで止まってしまうので、ここから納得させることが大切。

 

納得したら意思決定し、それを行動に移して自走するようになる。

 

こうして、ぐるっと1周して初めて”伝わる”のです」

 

講座の最初にあった先生の自己紹介も「ビジネス」「教育」「書」の3つの要素に絞られていました。

 

もしも、この要素が10個あったら、恐らく誰も覚えていないのではないでしょうか……

 

「プレゼンテーションとは、資料を作って何度も練習して発表したら終わりということではない。相手から聞かれたことに対してきちんと答える準備がとても大切なのです」

 

|伝わるメカニズム4つのポイント

 

そこで「伝わるメカニズム」のポイントを4つご教示くださいました。

「まず1つめ。そもそも何のためにプレゼンテーションを行っているのか、今、何を相手にしてもらいたいのかを明確にする。

 

そして、2つめ。プレゼンテーションには必ず相手がいます。伝えたい相手が何を求めているのか、仮説を立てることが大切です」

 

プレゼンが上手な人は、常に”仮説”を立てているそうです。

 

「3つめが非常に大切です。質疑応答の準備。聞く側の人は不安でいっぱい。その不安・不信感を払拭するために、質疑応答の準備をしっかりすること。聞かれそうな質問、聞かれると嫌な質問をそれぞれ10個考えておくこと」

 

いいことばかり聞いても、不安や不信感は払拭されないのですよね…「聞かれると嫌な質問の準備」は目から鱗でした。

 

受講生からも「確かにデメリットを知っておくと安心感が増します」「デメリットを伝えてもらえると誠実な感じがします」とのコメントが。

 

「質問の仮説を立てて、その回答を準備しておく。相手の質問にしっかり答えることで、プレゼンテーションを成功に導ける。相手が納得し、行動変容を促して、勝ち取ることがゴール。決して、資料を上手に説明することがゴールではない」

 

目的を見失って、つい「上手に説明すること」に終始してしまう…なんてことになりがちですが、これでは本末転倒。

 

「そして、最後に大事なポイントは”念い”(おもい)を伝えること。信念・念願・企業理念を実現するために、プレゼンテーションにはこの念いを込めておかなければならないのです」

 

相手のことが全くわからない状況で、相手に伝わるように話す。

 

そのためには、相手の感情を動かすことが重要とのこと…

 

そこで大事な役割を果たすのが「ビジュアル」。

 

右脳を刺激して”自分ごと”にしてもらうことがポイントなのだそうです。

 

|プレゼンテーションの構成

 

相手の右脳を刺激するプレゼンテーション…一体どうやって作ればいいんだろう。

 

そんな疑問が頭をよぎったところで、プレゼンテーションの構成についての話題へ。

 

まずはロジックの「課題解決型」。

そして、相手の感情を揺さぶるための「見せ方」。

この「ロジック」と「見せ方」の2段構造で構成することが大事とのこと。

 

そして、もう一つ大事なことが「未来像」。

わくわくする未来を、いかに相手に具体的に見せられるかがポイントなのです。

 

|プレゼンテーションは念(おも)いを伝える「ツール」

 

「”念い”とは”今の心”と書きます。今、大事にしている強い気持ち、これをしっかり伝えてください。それを伝えるためのツール、それがプレゼンテーションです」と前田先生。

 

ツールである以上、それを上手に使いこなせるようになった方が得なのです。

 

「自分の念いを伝え、それがクライアントに伝われば、間違いなくあなたの理想の未来が近づく。

 

誰かが自分の未来を作ってくれるわけではない。

 

与えられる未来ではなく、自分で未来を掴み取りにいくためのツール、それが”プレゼンテーション”です」

 

こうして、前田先生の熱い念いがビシビシ伝わる講義が終了しました。

 

ここから、質疑応答の時間へと進みます。

 

受講生からはさまざまな質問が飛び交いました。

 

  • プレゼンテーションの「つかみ」や要点を素早く選ぶコツ
  • 要点を押さえた話し方のコツ
  • クライアントへの提案時に頭が真っ白になる状態の回避方法 など

 

そしてついに60分の枠がいっぱいになってしまいました……

 

|プレゼンテーションへの意識が変化

 

まだまだ、ずっと聞いていたい!

 

あっという間の60分の講義でした。

 

「プレゼンテーションは”念い”を伝えて、自分の未来をつかみ取りにいく”ツール”」

 

今回の講義を機に、ものかき大学の受講生がそれぞれの望む未来を勝ち取るべく、プレゼンテーションを上手に活用できるようになるのではないでしょうか。

 

今後のものかき大学受講生の活躍が楽しみです!

 

 

 

ものかき大学ではこれからも、さまざまな講座を企画・開催していきます。

 

次回のイベントレポートもお楽しみに!

 

 

ライター:はな(https://twitter.com/simplist_hana